奈良県サイクリング協会主催の"しまなみ海道サイクリング”も6年間連続で実施し、参加者も延べ85名となった。「そろそろ目先を変えよう」と思いついたのが、今回の"自転車で関門トンネル渡るサイクリングツアー”である。
参加者は男性12名・女性1名の計13名(内1名とは現地合流)。27日夕刻18時50分大阪南港フェリーターミナルに集合、19時50分発の名門大洋フェリーで北九州市の新門司港に向かう。
食べて飲んで騒いで、目覚めればそこは目的地、これが夜航フェリーの醍醐味だ。船は翌朝8時30分に新門司港へ入港、まさに春の陽気に包まれたサイクリング日和だ。
ターミナル駐車場でロードバイクを組立て、予定通り9時15分にいざ出発。
最初の訪問は「小倉城」。当日は「小倉城桜まつり」開催中で桜も満開、多くの人で賑わいを見せていた。
城と桜と共に全員で記念撮影。"無法松の一生”の歌も飛び出す一幕も。
次に向かうは巌流島が遠望できる「向井山公園」だが、T氏の合流時間が迫ってきており今回は通過。
公園入口の交差点を通過の際、右に見える急坂を見て、通過決定にホッとした人もいた模様。
無事T氏と合流し、大正ロマン漂う"門司港レトロ街”には、11時30分に到着。
ここでは13時迄自由行動とし各自が昼食も摂る。後で聞くと皆が門司港名物"焼きカレー”を満喫していた。
焼きカレーとは、カレーライスの上に卵やチーズ、シーフードや野菜等をトッピングし、オーブンでグラタン風に焼き上げた芳ばしくて美味しい食べ物だ。
食後"ブルーウイングもじ”(日本で唯一の歩行者用の跳ね橋)を渡り、門司港が発祥の地と言われる"バナナの叩き売りを見物した。
"門司港レトロ展望室"(高層マンションの31階部分にある展望室)から関門海峡を一望していた者もいた。
今回旅のメインである"関門トンネル"を目指し、左には関門海峡、右にはレトロ観光列車が走る"サイクリングロードしおかぜの路"をひた走る。
関門トンネルは、昭和33年に開通した国内唯一の海底人道トンネルで全長780m、トンネルまでは自転車ごと専用エレベータで海底60mまで降下する。
トンネル通行料は人は無料だが、自転車は1台につき20円を支払い、押して渡らなければならない。
海底トンネルの途中に県境表示看板があり、海の底での県超え体験をした。
山口県下関市側に浮上しすぐに目にしたのが、みもすそ川公園にある幕末の攘夷戦で外国船に砲撃を加えた長州砲台5門。
この砲台は硬貨を投入することで、砲撃音と煙の演出を楽しむことができる。どうせお金を取るなら、もう少し迫力がほしかった。
次に向かったのが唐戸市場。旬の魚がリーズナブルに買え、多数の海鮮屋台も出店していて、観光客も気軽に入場できる卸売市場である。「新鮮な魚介を見ては食わずにはいられない」とばかりに、握り寿司やカニ汁等を更にお腹に詰め込む者もいた。
隣接するカモンワーフでは、関門トンネル内で押したスタンプ帳を提示して、全員が「関門トンネル踏破の記念証」をGETした。また、レストランや土産物店が立ち並ぶシーサイドモールでは、各人が旅の土産を物色していた。下関では"ふぐバーガー”も有名だが、流石にこれまでも平らげる大食漢は出現せず。
ボードウオークを自転車で爽快に走り抜け、関門海峡に突き出した「恋人灯台」では野郎同士が写真撮影。
次に立寄った赤間神社は、白壁に朱塗の水天門が特徴で、本殿の傍には耳なし芳一のお堂と、平家一門のお墓もあった。
関門トンネルを行きとは逆に福岡県北九州市側にくぐったところで、唐戸駅で合流したT氏とはお別れ。その後一行は瀬戸内海側へと進路を変え、一路新門司港フェリーターミナルを目指しひたすら走る。今回行程で唯一の峠越えがあったが、全員なんとかクリアー。そこからは下り基調でスピードも上がり気味、潮風がほほに当り心地よい。途中3つのトンネルを通過するも、いずれのトンネルも明るく、歩道もしっかり整備されており安全だった。
ターミナル手前のコンビニで夕食や飲み物を確保した。ターミナル到着後、コインロッカーより輪行袋を取り出し乗船の準備。今朝方乗ってきた船が、我々の帰りをひたすら待っていてくれたのだ。
19時50分発の夜航フェリーに乗船、船内の展望風呂で汗を流し、夕宴で再び親睦を図る。
29日朝8時30分定刻に大阪南港フェリーターミナルに到着。ターミナルで解散式を行い、名々が帰宅の途に就く。
残念ながら大阪は雨、行きは自走であったが帰りは輪行で帰宅することにした。
下見なしでのサイクリングであったが、事故・トラブルもなく、サイクリング&グルメが堪能できた有意義な旅であった。
"第2回関門トンネルを自転車で渡るサイクリングツアー”は、平成28年3月19日(土)~21(祝)の開催を計画しています。「昼食が唐戸市場で摂れるようにしてほしい」との声を反映させ、次回は逆回りコースで企画したいと思っています。
次回も多数の参加をお待ちしております。
担当幹事 辰野弘幸